僕はロンドン在住ですが、英語が “堪能” ではありません。
思い当たる理由としては、留学経験もなければ語学学校に通ったこともなく、かといってテキストを買って自主的に勉強するわけでもないという体たらくだからでしょうか。
それでも、渡英して1年ちょっと経った頃に受けた IELTS(General Training)のスコアは7.0。まぁ、ボチボチ悪くない結果でした。
その後も、基本的に英語の “勉強” はほとんどしていません(やりなさいよ…)。それでも少しずつ上達している実感はありました。
だからかは分かりませんが、近頃こんな話題に出くわす場面が何度かありました。
「英語、どうやって勉強してるの?」
英語を勉強していない僕は困ります。せっかくの話題を盛り上げられるような、特別な勉強法など何も実践していないからです。
しかし後になってふと思いました。英語の上達は実感してるんだから、勉強はしていなくても「勉強になること」は自然と行っているはずだと。
ということで今回は、自らの海外生活を振り返って気付いた、僕が自然と行っていた英語の上達習慣をシェアしてみたいと思います。
なお、(願わくば)この記事がより多くの方のヒントとなりますよう、海外に住んでいることや外国人の友人・同僚の存在など僕のまわりの環境に起因する習慣は省き、今回は自発的に行っている習慣のみ取り上げることにします。
ラジオやポッドキャストを聴いて知見を広める
移動中・仕事中・料理中などに、よくラジオやポッドキャストを聴きます。
例えば、 BBC Global News Podcast や SEND7 Simple English News Daily で、最新の世界のニュースをチェック。
Thomas Wilkinson さんの Thinking in English で、時事的なトピックやそのインサイトを入手。
仕事中はある程度聞き流したいので、 BBC Radio 6 や Monocle Radio で、音楽とランダムな話題を楽しむ、などです。
僕はこれらのプログラムから流れてくる英語を100%聞き取れるわけではありません。
それでも、今世界で何が起こっているかを知ろうとすることは、グローバル社会に生きる大人として大切な習慣のひとつだと思っています。
そしてそれは、この世界で関わる多様な人々とのコミュニケーションに思慮を与えてくれる、僕にとって、言葉の流暢さよりも大切なことです。
家やリハーサルスタジオで歌の練習をする
僕は昔から歌うことが好きで、最近も週に一度はリハーサルスタジオに入ってボイストレーニングをしています。
それが結果的に英語の発音練習にもなっているんだろうという話なんですが、それよりも、英語で日々歌っていると強く感じることがあります。
語学学習において “発音” はとても重要な要素ですが、それを上達させたいのなら、“発音” そのものよりもあることに意識を向けた方がいいのではないかと感じるんです。
それは、 “発声” です。
日本人が日本語を話すときに、いちいち “発音” って意識しないですよね。大抵は、自分の喉がいちばん自然で楽な形で声を出しているだけです。
そしてこれは、英語をはじめとする他の言語のネイティブスピーカーにとっても同じなんじゃないかと思います。
つまり何が言いたいかというと、どの言語にも「自然で楽な形で声を出したときに、それがそのまま正しい発音になる」ような、発声のコツがあるんじゃないかということです。
発声方法を文章で上手く伝えられる自信がないので、僕がどんな発声で英語を話しているかの説明は今回は避けます。
ですが皆さんも、「発音」だけじゃなく、もっと根本的な「発声」にも注目してみると、なにかヒントが得られるかも知れません。
映像作品を観てリラックスする
多くの方と同じように、僕も日々 Netflix や Disney+ で様々な作品を視聴します。ドラマや映画の視聴は語学学習にも効果的だとよく言われますよね。
一時期は英語の作品を字幕無しで観るよう努めたりもしましたが、やっぱり疲れますし、作品を目一杯楽しめないのが嫌ですぐにやめました。
なので基本的には日本語字幕つきで観ています。それでも、段々と字幕に目が行く頻度は減ってきていることは実感します。
ちなみに日本語の作品(主にアニメ)も、翻訳の仕方が面白かったりするんで英語字幕付きで観ています。
本や記事を読んで知的好奇心を満たす
熱心な読書家でもなく、英語の教本なんて読もうものなら一瞬で寝落ちしてしまう僕ですが、気になる本に出会えばもちろん読みます。
今読んでいるのは、Michael Sandel さんの The Tyranny of Merit(実力も運のうち)。本書は僕の英語レベルだとちょっと難しいんですが、興味が勝っていると苦痛にならないです。
それに、Kindleアプリで読むと分からない単語をすぐに翻訳できて便利ですね。紙の本のほうが好きで最近まで使っていませんでしたが、すっかり気に入っちゃいました。
また、ウェブメディアのコラムなども好きでよく読みます。
僕のラップトップもスマホも Firefox がデフォルトブラウザなんですが、ホーム画面の Thought-provoking stories というセクションで様々な記事を提案してくれるんです。

どれも興味を引く見出しでつい読んでしまいます。
ブラウザに翻訳アドオンを追加していれば、わからない単語も即座に翻訳できて、快適に読み進められます。
また、面白い本や記事に出会うと、誰かに話したくなるんですよね(実際に話すことはなくても、人にどう伝えようかと頭の中で考えてしまいます)。
それも含め、これは英語の効果的なインプット/アウトプットになっているのかもしれません。
独り言で会話をする癖がある
誰かとの会話を空想する癖があるのって、僕だけではないはず。
上記のように誰かに伝えたいことや自分の考えを話す練習をするとか、そのほかにも例えば、その日にあった誰かとの会話の続きを想像するとか、はたまた上手く話せなかった部分を想像でやり直すとかです。
家で一人の場合は普通に声に出して、外出中であれば小声で、もしくは声に出さず頭の中で行います。
これは英語に限ったことではなく、日本にいた頃から自然とやってしまう癖ですね…
気になるアイテムの情報をネット上で探す
例えば、気になる音楽機材やカメラ機材などの情報が欲しい時に、YouTuberやブロガーのレビューを参考にすることは多いです。
その際のコンテンツの言語は問わないため、自分が興味を持っている分野に関する用語や表現を「英語ではこう言うんだ」と知ることはよく起こります。
いまは音声もテキストも自動翻訳する手段が豊富です。現代において、日本語以外のソースにアクセスすることに慣れておくのは、(語学学習に関係なく)大切なことかも知れませんね。
Chat GPTの日本語スキルを信用していない
ほんと便利ですね、Chat GPT。仕事等で必要な英文の作成や添削、またはさまざまな情報収集などに活用しています。
ただ僕は、奴の日本語への理解力をまだあまり信用しきれていません。なんかやっぱり、あいつはまだ英語が一番得意なんじゃないかと感じるんです。
こんなこと言っていたらAIネイティブ世代には笑われるでしょうか。笑
ともかくそんなワケで、僕が Chat GPT を使うときは基本的に英語です。
おわりに
いかがでしょうか。
振り返ってみるとやはり、勉強や練習という意識はないにせよ、さまざまな目的を達成するための手段として英語を使うという習慣があったようです。いわゆる「習うより慣れよ」を実践していたということでしょうか。
なのでもし僕と同じように勉強が苦手で語学学習が続かないという方は、“言語” 本来の役割に立ち返ってみるのはいかがでしょうか。
つまり、そもそも自分は英語を使って何がしたいのかを考え、今日からそれに取り組み始めてみること(自身が理想とするレベルに達するのを待つのではなく)、それが上達への活路となるかも知れません。