ようやく今年もロンドンに春が来ましたね。
3月には珍しくここ2週間ほど気持ちの良い晴れ模様が続き、僕と同じくロンドン在住の方はきっと週末のお出かけを楽しんだことでしょう。
季節の変わり目にロンドンの街を歩いていると、僕はつい人々の服装のばらつき具合に目がいきます。まだダウンジャケットを着ている人もいればもう半袖短パンの人も。
人によって体感温度が異なるという人間の性質を改めて意識すると、なんだかみんなが愛おしく見えてきます。
そして冬の終わりを感じれば夏の楽しみに思いを馳せてしまうのも、人間の性質なのでしょうか。
今年も短い夏がやって来ます。
1年に1度のこのボーナスタイムを逃すまいとカレンダーを埋め始めている方もいれば、まだ特に予定がない方もいることでしょう。
体感温度も違えば夏の過ごし方も人それぞれ。みなさんの参考になるかはわからないですが、僕が2025年夏(6~8月)に行きたいと思っているロンドンのイベントをいくつか紹介してみようと思います。
Little Simz(リトル・シムズ)はノースロンドン出身のラッパー/シンガーで、ここ数年で世界中から最も注目を集めているアーティストの1人です。
イーストロンドンを舞台にした大人気シリーズ Top Boy(トップ・ボーイ)にも出演しているので、俳優として彼女を目にしたことのある人も多いでしょう。
そんな、ロンドンの音楽シーンにおいて “今” 最も重要な存在である彼女が、Southbank Centre(サウスバンク・センター)が開催する「Meltdown」2025年の “Curator“として先月発表されました。
同イベントでは毎年、音楽・アート・映像などのパフォーマンスが約2週間にわたり披露されます。そして大きな特徴として、その音楽の出演者とタイムテーブルを毎年1人のアーティストが Curator として組み立てる役割を任されます。
過去には David Bowie や Yoko Ono といった名だたるアーティストたちが務めた “Curator” ですが、Little Simzは歴代最年少。一体どんな音楽を Curate するのか注目が集まります。
また今年はおそらく彼女もステージに立つと予想され、ラッパーならではのコラボパフォーマンスも期待されます。気になるそのラインナップやチケット情報は今春に発表される予定とのことです。
今年で30周年を迎えるロンドンの大人気イベント Meltdown、2025年の開催は6月12日~22日です。会場アクセスもとても良いですから、Little Simz を知らないという方も気軽に足を運んでみてはいかがでしょうか?
London Design Biennale(ロンドン・デザイン・ビエンナーレ)は、現代世界をリードするデザインとデザインが主導するイノベーション/創造/研究などに関する国際的なエキシビジョンです。
テムズ河沿いに位置する歴史的建築物 Somerset House(サマセット・ハウス)を舞台に開催されます。
5回目となる今年のテーマは「Surface Reflections」。人々のアイデアが内部的経験と外部的影響の双方よってどう促進されるのかを探るということだそうです。
なんというか、デザインを含め “芸術” って言葉にすると途端に距離を感じますね…
まあとにかくそんな言葉は頭の片隅においておくに留めて、展示物を前に自分の心がどう動くのか、それを観察するだけでもきっと楽しいはず。
僕は一応デザインを生業にしている者の端くれとして勉強的な目的も兼ねて参加予定ですが、それ以上に夏を楽しみたいのです…!
開催期間は6月5日~29日。お得な入場券 Early Bird Tickets が3月27日まで販売中です。
2025年8月24日、サウスロンドンにある野外コンサート会場 Crystal Palace Bowl(クリスタル・パレス・ボウル)で、音楽イベントが開催されます。
その名も「Love Motion 2025」。アメリカの伝説的なミュージシャン Nile Rodgers(ナイル・ロジャース)と彼をギタリストにもつファンク/ディスコミュージックの金字塔、Chic(シック)がヘッドライナーを務めます。
これは1年を通してCrystal Palace Bowlで音楽イベントを企画・開催しているSouth Facing Festival(サウス・フェイシング・フェスティバル)による興行のひとつで、今回は多数のファンク/ディスコ/R&Bアーティストが出演を予定しています。
このSouth Facing Festival、僕は2023年に行われたPrimal Scream公演に参加したことがありますが素晴らしいイベントでした。
会場は木々に囲まれた芝生の広場で、ステージから少し離れた丘でリラックスすることも、目前でアーティストたちのパフォーマンスを楽しむ事もできます。
キャパシティは10,000人程度。野外で開放感もありつつ、しかし広すぎずどの位置でもしっかりと音を楽しむことができる良い規模感です。
また会場内には屋台やバーも出店され、夏に音楽を楽しむにはうってつけのイベントと言えるでしょう。