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この秋のロンドンは何して過ごす?2025年9・10・11月に行きたいイベント【随時更新】

今年、イングランドでは史上最高となる6月の平均気温を記録。寝苦しい夜に文句を垂れつつも、「今年は “夏らしい夏” が来るのでは…?」と、ちょっぴり期待。

しかし迎えた7月、ロンドンの気温は急降下。僕は不本意ながらも渋々クローゼットからシャツジャケットを取り出し、仕事へ出かけたのでした。

イギリスの夏は毎日が温かいわけではなく、こうしてたまに来る熱波によって、数日の夏が訪れるという感じ。その度に「これが今年最後の夏かも…!」と怯えながら楽しむものだと心得ています。

そしていよいよ秋が訪れると、やっぱり少しおセンチになりますね。でも、服を一枚、また一枚と重ねるたびに、夏への未練が薄れていくあの感じ。あれはあれで楽しいものです。

それに、秋のロンドンだって、僕が楽しみにしているイベントはいくつもあるんです。

今回は2025年9月~11月に僕が参加予定のイベントをいくつかご紹介しますので、気になるものがあれば皆さんもぜひカレンダーにメモしてみてください。

それだけでも、夏の終わりに感じる寂しさが少しは和らぐかもしれません。

Halloween at Kew | Kew Gardens

世界遺産の王立植物園、Kew Gardens(キュー・ガーデンズ)では、東京ドーム約26個分もの広大な敷地に5万種以上の植物が植えられています。

敷地内には大きな温室や、木々の間に架かる空中散歩道などもあり、四季折々の自然や珍しい植物との出会いが楽しめるロンドン屈指の人気スポットです。

そんなキュー・ガーデンズが、2025年10月17日〜11月2日の期間、“ちょっと不気味な世界”に一変します。

日没後、園内の1.5kmの遊歩道には、呪われた木骸骨の霊廟廃墟の遊園地首なし騎士などが登場し、ハロウィン仕様の演出が楽しめるそうです。

演出は時間帯ごとに3つに分かれているとのこと。

  • Daylight(~18:00):小さな子供も楽しめる明るめの演出
  • Twilight(18:00〜19:30):ちょっとドキドキする不気味な演出
  • Moonlight(19:30〜):最も幻想的でスリリングな演出

家族連れやカップル、友達同士まで、誰でも楽しめそうな内容ですね。レーザーの演出もあるみたいで、今からとても楽しみです。

チケットは時間指定&人数制限があるので、早めの予約をおすすめします。

Picasso: The Three Dancers | Tate Modern

ロンドン屈指の現代美術館 Tate Modern(テート・モダン)で、ちょっと変わったピカソ展「Theatre Picasso(シアター・ピカソ)」が開催されます。

ピカソの代表作『三人の踊り子(The Three Dancers)』(1925年)の完成100周年を記念する本展では、約45点の作品が劇場の舞台で上演されるかのように展示されるとのこと。さらに、ライブパフォーマンスも取り入れた、かなり“体験型”の展覧会になるようです。

展示空間の演出を手がけるのは、アーティストの Wu Tsang とキュレーターの Enrique Fuenteblanca。観るだけでなく、“物語の中に入り込む”ような没入感が味わえる展示になるといいます。

会期は2025年9月17日から。まだ全貌は明かされていないものの、芸術ファンはもちろん、「ピカソってよく知らない…」という人にも楽しめそうな、注目のイベントです。

Gilbert & George: 21st Century Pictures | Hayward Gallery

ロンドン Southbank Centre の Hayward Gallery(ヘイワード・ギャラリー)で、イギリスを代表する現代美術家 Gilbert & George(ギルバート&ジョージ)による展覧会「21st Century Pictures」が開催されます。

ギルバート&ジョージは、1960年代から活動を続ける革新的なアートデュオ。自身らを「生きた彫刻」と称し、アートを通じて社会のタブー都市生活を鋭く描き出してきました。

大胆な言葉づかいと鮮烈な色彩で知られる彼らの作品。本展では、2000年以降に制作された作品群から代表作が厳選され、展示されるそうです。都市ロンドンの多様性や人間の内面を赤裸々に描いた『THE LONDON PICTURES』(2011年)や、宗教と死をテーマにした『THE CORPSING PICTURES』(2022年)なども登場します。

会期は2025年10月7日から。ギルバート&ジョージらしく、床から天井まで空間を覆い尽くす大判作品たちは、まさに必見です。

Victor Wooten & The Wooten Brothers | Union Chapel

ロンドンのイズリントンにある Union Chapel(ユニオン・チャペル)は、ただのライブ会場ではありません。

もともとは 19 世紀後半にゴシック・リバイバル様式で建てられた歴史ある教会で、その独特の雰囲気と音響空間で聴くライブは、一味違う感動をもたらしてくれます。

この10月、そんなユニオン・チャペルで、世界的なベーシスト Victor Wooten(ヴィクター・ウッテン)が演奏します。2025年10月27日、彼の兄弟たちとのユニット The Wooten Brothers でのライブです。

音楽好きの方や、ギター・ベースを演奏する方など、ご存知も多いかと思いますが、ヴィクター・ウッテンはベースの神様とも言われる伝説的プレイヤー。彼の演奏は単なるベースの役割を超え、そのテクニック、そして哲学は世界中のミュージシャンからの尊敬を集めています。

そんな彼の兄弟たちもトップオブトップのミュージシャン。キーボードやパーカッション、ギターで彩り豊かなサウンドを作り出し、家族の絆が音楽に溶け込んだかのようなグルーヴを感じさせてくれます。

ユニオン・チャペルの特異な空気感と The Wooten Brothers の圧倒的な演奏が融合するスペシャルな体験、秋の夜長にぜひ味わってみてください。