依然として根強いインフレが続くイギリス。特にロンドン在住で外食の回数が年々減っているという方は多いでしょう。
かくいう僕もその物価上昇パンチを毎日みぞおちに喰らっていて両膝がもうガクガクなんですが、だからこそたまの外食はハズしたくないですよね。
しかし、一大帝国を築いたにも関わらず食文化の発展においては斜め上を行ってしまったこの国ではそれが非常に難しい。ましてやロンドンに来て間もない方やこれから観光で来られる方にとっては尚のことでしょう。

イギリスのそんなとこも可愛くて好きです…
そこでこのブログでは、ロンドン在住の僕がリピートするおすすめスポットを紹介しています。今回の ”ハズさない” ロンドン飯はサンデーローストの名店です。
サンデーロースト(Sunday Roast)とは
みなさんはお好きでしょうか、サンデーロースト。
日曜の朝に教会での礼拝から戻った後に一家で食卓を囲む、という習慣から生まれたと言われるイギリスの伝統料理ですね。一般的にローストした肉、ポテト、ヨークシャープディングやその他野菜をグレイビーソースとともに食べるというシンプルなもの。
僕はかなり好きです、これ。日本人としてはその “余計なことしてない” シンプルさがありがたい。
インターネットで検索すれば「やばい」「なぜまずい」といった心ない関連キーワードが並んじゃうイギリス料理ですが、サンデーローストはその数少ない “良心” とでも言いましょうか。
ぶっちゃけ食材をローストしてるだけなので、どこで食べても「なんだこれ不味ッ」ということが起きにくい。
そしてその発祥のコンセプトそのままに、今もサンデーローストは日曜の昼に家族や友人たちを集めて楽しまれています。
客たちの楽しげな会話と食器の擦れる音でにぎわう店内、そこで日曜の昼をゆっくりと味わう ― これはこの国で見つけた僕のお気に入りのひとつです。
”ハズさない” サンデーローストの名店
さすが自国の伝統料理とあって、提供しているパブやレストランは英国内に無数にあります。
僕はロンドンへ来客があるときによくサンデーローストを紹介するのですが、やっぱりゲストにはちゃんとウマい店で楽しんでもらいたい。

そしてイギリス料理が一概に「やばい」わけではないことを知ってほしい…
そんな不思議とイギリスの名誉を守りたくなる時によく利用するお店が、ロンドンとマンチェスターに6店舗を構えるステーキハウスの名店 Blacklock(ブラックロック)です。
僕が初めて訪れたのは2024年のバレンタインの週末、当時はまだガールフレンドだった妻とでした。
サンデーローストが食べたいと言っていた彼女に「お、センスいいじゃん」と思ってもらいたくて血眼になって調べた末に、僕はこの店を予約しました。
彼らのサンデーローストはビーフ/ラム/ポークの選択肢に加えベジタリアンメニューも用意されているんですが、僕達がオーダーしたのは「ALL IN」と呼ばれるメニュー。
その暴力的なまでにシンプルな名の通り、先述したお肉全種が楽しめるという超ワガママメニューです。2名以上からオーダーすることができて、ワンプレートで提供される人数分のサンデーローストをシェアしながら食べます。
そしてこれが Blacklock の看板メニューであり、僕が今回おすすめする理由のほとんどです。
3種類のお肉とサクふわのヨークシャープディング、そして付けあわせの野菜ひとつひとつに至るまでが上質。完璧にローストされたそれらをお店自慢のグレイビーソースと共に頂きます。
このグレイビーソースが大変に美味しくて、気づけばもう何が主役か分からないくらいビチャビチャにかけちゃってるのが僕の常です。

食べ方にセンスが無かった
なにより人数分が山々と盛り付けられたプレートの見た目はインパクト抜群。目にも楽しく、それをシェアして食べるという体験が自然と会話を弾ませてくれます。
当時となりのテーブルでは4~5人で「ALL IN」をオーダーしていて、巨大なプレートに人数分盛られたサンデーローストは圧巻でした。いったい何人分までひと皿に盛ってくれるんでしょうね。
また、全店舗を訪れたわけではないですがお店のスタッフはいつもプロフェッショナルでフレンドリー。
イギリスではそっけない接客態度がもはや名物と言えるくらいスタンダードですから、ゲストに気持ちよく過ごしてもらいたいという時には大切なポイントです。
おわりに
そんなバレンタインデート以降、僕も妻もリピートするようになったBlacklockのサンデーロースト。シンプルな料理なので他にも美味しいお店はたくさんありますが、今回はその中でも特に思い出に残っているこちらの「ALL IN」を紹介しました。
最後に僕がおすすめした理由をまとめるとこんな感じです。
- 数種類のお肉が一度に楽しめる
- 食材が全て高品質
- お店自慢のグレイビーソースが絶品
- 見た目のインパクトが抜群
- シェアして食べるのが楽しい
- スタッフの接客が心地よい
いかがだったでしょうか。「ALL IN」は1人あたりの量がけっこう多いので、食べてみたいという方はぜひお腹を空かせて行ってくださいね。